生活保護の審査請求をしよう

生活保護の質問に答えます。役所の決定に疑問があったら、生活保護の審査請求をしましょう。

<生活保護と国民健康保険> 【問】遺産などを受け取ったときは,医療費は全額(10割)を返還しなければならないのですか?

 私は 病気で働くことができず,収入がなくなり生活に困り,生活保護を受けました。 その後,不動産を所有している父が亡くなり,その不動産の売却や遺産分割協議に時間がかかり,父が亡くなってから2年後に,ようやく不動産の売却と遺産分割協議が終わり,私の相続分として400万円を受け取りました。

 

 そのことを役所に届け出たところ,担当者から,「相続財産400万円の資力発生日は,2年前のあなたの父の死亡日であるから,あなたの父の死亡日(=相続財産の資力発生日)以降に,役所があなたに支給した生活保護費は,あなたに相続財産という資力があるにもかかわらず,その資力(=相続財産)がすぐには現金化できずに,あなたが生活に困っているので,役所が支給したものであるから,役所がこの2年間にあなたに支給した生活保護費の範囲内で,医療費も含めて返還してもらう必要がある。 この2年間にあなたに支給した生活保護費は,生活扶助費と住宅扶助費(家賃等)で300万円,医療費120万円(10割分)の計420万円であり,あなたが相続した400万円を超えるので,生活保護法第63条に基づき,相続した400万円と同額の生活保護費を 役所に返還してもらう必要がある。」と言われました。

 

 しかし,役所の担当者は,以前,「生活保護制度は,他法他施策優先であるから,まず傷病手当金や失業保険金などの他の制度を利用してもらい,それでもなお,収入が最低生活費を下回る場合は,その不足分を生活保護費として支給することになる。」と言いましたが,それならば,生活保護を受けても,健康保険や介護保険と同様に国民健康保険にも加入できるようにすれば,私の医療扶助費は120万円の3割負担の36万円(=120万円×3割)となり,その結果,私に支給された生活保護費は336万円(=300万円+36万円)となりますので,役所に返還する額も339万円となり,返還額が84万円(=420万円-336万円)も少なくなります

 私は,役所の担当者が言うように,420万円全額を返済しなければならないのでしょうか。 また,なぜ生活保護を受けている人は,国民健康保険に加入できないのでしょうか。

 

【答】

 あなたが言うとおり,生活保護制度は 他法他施策優先生活保護法第4条: 保護の補足性)と言いながら,生活保護を受けている人は,国民健康保険に加入することができず,国民健康保険から脱退する必要があります。

 一方で,生活保護を受けている人が,会社などで働いている場合は,健康保険に加入することができて,医療費の7割は健康保険から支給され,残りの3割は 医療扶助として福祉事務所から支給されます。

 また,生活保護を受けている65歳の以上の人は,介護保険に加入しなければならず,介護費の9割は介護保険から支給され,残りの1割は 介護扶助として福祉事務所から支給されます。

 したがって,国民健康保険についても,介護保険と同様に,国民健康保険料を生活扶助費として支給し,国民健康保険に加入してもらい,医療費の7割は国民健康保険から支給し,残りの3割を医療扶助として支給すれば,生活保護費も少なくてすむわけです(その代わり,国民健康保険に係る自治体の負担が大きくなります。)。

 

 仮に生活保護費が4兆円で,そのうち医療扶助費がその半分の2兆円としますと,生活保護を受けている人に国民健康保険への加入を認めた場合は,2兆円の医療扶助費は,その3割の6千億円ですみますので,生活保護費は,4兆円から2兆6千億円に激減し,生活保護費の中で医療扶助費の占める割合も,約50%から約23%に減ります(もっとも,被保護者が,健康保険に加入している場合は,その医療費の7割は健康保険から支給されていますので,単純に2兆円の3割にはなりません。)。

 一方,介護保険について,国民健康保険と同様に,生活保護を受けている人は介護保険に加入できないとして,介護費を介護扶助で10割支給とすると,介護扶助費は今の10倍になり,生活保護費の中で介護扶助費の占める割合が大きくなり,医療扶助費が占める割合は,相対的に小さくなります。

 

 厚生労働省は,「生活保護費の中で医療扶助費が約半分を占めるので,医療扶助費の削減に努めなければならない。」と言っていますが,生活保護を受けている人は,国民健康保険に加入することができないため,医療費の全額(健康保険の被保険者・被扶養者を除く)を医療扶助費として支給しているのですから,生活保護費の中で医療扶助費が占める割合が大きくなるのは,あたり前のことです厚生労働省は,それを知っていながら,何を言っているんだと言いたくなります。 そして,何も知らない勉強不足のマスコミは,これを鵜呑みにするのです。

 

 このように,生活保護制度は 他法他施策優先と言いながら,生活保護を受けている人は,国民健康保険に加入することができず,医療費については,10割全額が医療扶助費として福祉事務所から病院に支払われるため,資力発生日以降に支給された医療扶助費については,資力(相続財産)が現金化したときは,生活保護法第63条に基づき,受領した現金(相続財産)の範囲内で,支給された医療扶助費(10割負担)を返還する必要があります。

 

 しかし,このブログの「【問】年金を数年前に遡って受け取った場合は,その全額を返還しなければならないのですか?」(令和5年5月25日)で説明したとおり,生活保護手帳・別冊問答集」問13-5において,厚生労働省は,「災害等による補償金を受領した場合,年金を遡及して受給した場合等における法第63条に基づく返還額の決定に当たって,その一部又は全部の返還を免除することは考えられるか。」という質問に対して,原則として当該資力を限度として支給した保護金品の全額を返還額とすべきである。 しかしながら,保護金品の全額を返還額とすることが当該世帯の自立を著しく阻害すると認められるような場合については,次の範囲において,それぞれの額を本来の要返還額から控除して返還額を決定する取扱いとして差し支えない。」と答えています。

 そのため,あなたが,420万円全額を返還することが,あなたの世帯の自立を著しく阻害すると認められるような場合については,古くなった家電製品の買換え費用や,家の修理費(襖・畳などの取替費用等),子どもの教育費などの自立更生費を返還額から控除してもらうことができますので,役所の担当者に相談しましょう。

 

 そして,役所が自立更生費を認めないときは,その理由を担当者に聞くとともに,個人情報保護法に基づいて,あなたのケース記録やケース診断会議の議事録などについて,個人情報の開示請求を行いましょう。 あなたのケース記録やケース診断会議の議事録などを読んで,420万円全額を返還することが,あなたの世帯の自立を著しく阻害すると認められるか否かについて,役所が 具体的にどのような検討を行ったかなどを調べ,その結果,役所が,あなたに自立更生費のことについて十分に説明してなかったり,自立更生費の必要性について十分に調査していなかったり,又は 自立更生費の必要性について十分に検討してなかった等と認められるときは,役所の裁量権の逸脱・濫用により,返還処分が違法とされ,返還処分が取り消された判例都道府県知事裁決が数多くあります

 そのため,あなたが,役所の担当者の説明などに納得できないときは,法テラスを通じて生活保護制度に詳しい弁護士や,各地の生活保護支援ネットワークなどの生活困窮者支援団体に相談し,役所に再度説明してもらうか,又は 都道府県知事に対して,生活保護法第63条に基づく保護費の返還処分の取り消しを求める審査請求を行うことを検討しましょう。

 

 次に,健康保険や介護保険については,生活保護を受けても,加入することができるにもかかわらず,生活保護を受けると,なぜ国民健康保険に加入できなくなるのでしょうか。

 この理由については,ある書籍に,「傷病者が多い生活保護利用者を国民健康保険が抱え込めば財政的にもたないという自治体側の都合が原因です。  自治体側からすれば,生活保護であれば,75%は国庫から補填されるが,国民健康保険であれば,国庫補助は大幅に下がります。 1984年の改正により,国民健康保険財源の国庫補助は医療費ベースで45%から38.5%へと削減され,国民健康保険の総収入に占める国庫支出金の割合は,1984年の49.8%から2005年の30.6%へと激減しています。」と記されています。

 

 つまり,生活保護を受けている人は,自治体側の反対によって,国庫負担率の差という財政的な理由によって,国民健康保険に加入できなくなったわけです。 それにもかかわらず,生活保護を受けている人には,何ら責任がないのもかかわらず,国民健康保険に加入できず,その結果,資力が現金化したときは,生活保護法第63条に基づき,医療費については,その10割を返還しなければならなくなったものです。

 生活保護を受けている人は,病気などで働くことができず,収入がなく生活に困っている場合は,生活保護制度しか頼るものがなく,その結果,国民健康保険に加入するはできなくなるわけです。 つまり,生活保護を受けないか,又は 生活保護を受けて国民健康保険に加入しないかの2つの選択肢しかなく,納得していなくても,やむを得ず,この「生活保護を受けて国民健康保険に加入しないという選択肢」を受け入れざるを得ないわけですから,これは,あまりにも酷であり 理不尽なことです。 したがって,資力が現金化したときは,生活保護法第63条に基づく医療扶助費の返還額は,その3割(後期高齢医療の場合は1~2割)とすべきであると思います。

 しかしながら,今までは 医療費の10割返還処分の取消しを求める審査請求や訴訟においては,残念ながら,生活保護を受けている人の主張や請求が認められず,この請求が棄却される都道府県知事裁決や判例が出されています。

 

 なお,特殊な事例ですが,重度の認知症のため,年金収入等もあり資力を有していたものの,預金等の払い戻しができないなど,資産を現実に活用することができない状況にあった男性に対して,福祉事務所が 職権により生活保護を適用し,後日,福祉事務所は,当該男性が資力を有するものであったとして,支給した生活保護費全額の返還を求めました。 これに対して,死亡した男性の相続人が,後期高齢者医療の被保険者として医療を受けた場合の自己負担分(医療費1割負担分)の出費しか免れていないことから,保護費全額の返還を求める処分には,裁量権の範囲を逸脱し違法であると主張し,その取り消しを求めて訴訟を提起した結果,東京高裁は,福祉事務所の返還処分を取り消しました(令和2年6月8日付、東京高裁判決)。

 

 その取消しの理由は,次のとおりであり,妥当な判断であると思います。

① 実質的に不利益を課す処分となりうる保護を行う場合には,保護を受ける相手方に,保護を受けた場合の不利益の内容を説明して,十分な理解が得られることが不可欠の前提であること。

② 当該男性に対する保護決定に際して,支給される医療扶助について,将来その全額の返還を求められ,著しい経済的不利益を被ることになるのに,少なくとも当該男性の理解を得ないままに職権で保護の決定が行われた結果,当該男性の意思とは関係なく,何らの予告もなく著しい不利益を課されることになったこと,

③ 生活保護法の運用にあたっても,社会保障制度全体の中でその運用を考えるべきであり,返還決定が,後期高齢者医療の被保険者であれば負担を要しなかった範囲の保護費の返還を求めている部分については,裁量権の範囲を逸脱した違法がある

 

 

(参考)

生活保護

(保護の補足性)

第4条 保護は,生活に困窮する者が,その利用し得る資産,能力その他あらゆるものを,その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。

 民法に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は,すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする。
 前2項の規定は,急迫した事由がある場合に,必要な保護を行うことを妨げるものではない。

 

 

生活保護手帳・別冊問答集

○問13-5 法第63条に基づく返還額の決定

(問)

 災害等による補償金を受領した場合,年金を遡及して受給した場合等における法第63条に基づく返還額の決定に当たって,その一部又は全部の返還を免除することは考えられるか。

 

(答)

(1)法第63条は本来,資力はあるが,これが直ちに最低生活のために活用できない事情にある場合にとりあえず保護を行い,資力が換金されるなど最低生活に充当できるようになった段階で既に支給した保護金品との調整を図ろうとするものである。

 したがって,原則として当該資力を限度として支給した保護金品の全額を返還額とすべきである。

 

(2)しかしながら,保護金品の全額を返還額とすることが当該世帯の自立を著しく阻害すると認められるような場合については,次の範囲においてそれぞれの額を本来の要返還額から控除して返還額を決定する取扱いとして差し支えない

 なお,次第8の3の(5)に該当する必要経費については,当該収入から必要な最小限度の額を控除できるものである。

  ア 盗難等の不可抗力による消失した額。(事実が証明されるものに限る。)

  イ 家屋補修,生業等の一時的な経費であって,保護(変更)の申請があれば保護費の支給を行うと実施機関が判断する範囲のものにあてられた額。(保護基準額以内の額に限る。)

  ウ 当該収入が,次第8の3の(3)に該当するものにあっては,課第8の40の認定基準に基づき実施機関が認めた額。(事前に実施機関に相談があったものに限る。 ただし,事後に相談があったことについて真にやむを得ない事情が認められるものについては,挙証資料によって確認できるものに限り同様に取り扱って差し支えない。)

  エ 当該世帯の自立更生のためのやむを得ない用途にあてられたものであって,地域住民との均衡を考慮し,社会通念上容認される程度として実施機関が認めた額。

     なお,次のようなものは自立更生の範囲には含まれないものである。

   ① いわゆる浪費した額

   ② 贈与等により当該世帯以外のためにあてられた額

   ③ 保有が容認されない物品等の購入のためにあてられた額

  オ 当該収入があったことを契機に世帯が保護から脱却する場合にあっては,今後の生活設計等から判断して当該世帯の自立更生のために真に必要と実施機関が認めた額。

(3)返還額の決定は,担当職員の判断で安易に行うことなく,法第80条による返還免除の決定の場合と同様に,そのような決定を適当とする事情を具体的かつ明確にした上で実施機関の意思決定として行うこと

  なお,上記のオに該当するものについては,当該世帯に対してその趣旨を十分説明するとともに,短期間で再度保護を要することとならないよう必要な生活指導を徹底すること。

 

 

○間違いだらけの生活保護『改革』

  (生活保護問題対策全国会議:平成24年8月)(抜粋)

<制度的問題 ~ 国保資格喪失>

 生活保護利用前に国保資格者であった者は,国保資格を喪失し(国民健康保険法6条6項),医療扶助10割給付となります。 生活保護法上は,他法優先の原理から(法4条2項),国保を他法として,その資格を存続させることが生活保護の本旨に適うものです。 そうならなかったのは,仮に,保険料や3割の一部負担金を生活保護で補填されるとしても,傷病者が多い生活保護利用者を国保が抱え込めば財政的にもたないという自治体側の都合が原因です自治体側からすれば,生活保護であれば,8割(現在は7.5割)は国庫から補填されるが,国保であれば,国庫補助は大幅に下がります。 1984年の改正により,国保財源の国庫補助は医療費ベースで45%から38.5%へと削減され,国保の総収入に占める国庫支出金の割合は,1984年の49.8%から2005年の30.6%へと激減しています

 本来,生活保護の補足性の原理により,国保資格を存続させ,医療扶助費の7割を国保に移せば,医療扶助の財政問題の大半は解決するでしょう(自治体には別途補助金等での手当が必要になると思われます。)。 すでに被用者保険や介護保険は,生活保護になっても資格を存続させ,保険料や自己負担分を生活保護から給付しているのです。 医療扶助もこれに倣うべきです。

 

 

東京高等裁判所: 令和2年6月8日判決

1 生活保護法63条に基づく費用返還請求処分と後期高齢者医療制度の関係について

(1)生活保護を受けるには,原則として本人の申請が必要でるが,生活保護を必要とする人が生死にかかわるような差し迫った状況にあるときは,本人の申請を待たずに保護の実施機関は職権で保護を開始するものとされている(生活保護法25条)。

 また,資力があるにもかかわらず,差し迫った状況にあることから生活保護を受けた場合は,保護の実施機関の定める額を,費用を支弁した自治体に返還しなければならないものとしている(同法63条)。

 そして,厚生労働省保護課長通知(以下「平成24年課長通知」という)において,返還に際しては,原則全額を返還対象としつつ,それにより生活保護を受けた人の世帯の生活や自立が著しく阻害されると認められる場合には,所定の額を返還額から控除して差し支えないとされている。

 

(2)他方,生活保護を受けている人の医療費は,全額が生活保護により賄われることが予定されており,後期高齢者医療等の健康保険制度の被保険者から除外されている。

 そのため,資力の活用が可能となって保護費の全額の返還を求められた場合,保護を受けず健康保険制度の被保険者にとどまった場合には,後期高齢者医療によって賄われたはずの部分についても,被保護者の負担になる状態となっていた。

 

2 事案の概要

 本件において,Zは,年金収入等もあり資力を有していたが,重度の認知症のため,預金等の払い戻しができないなど,資産を現実に活用することができない状況であった。

 そこで,Y区長から保護の決定及び実施に関する権限の委任を受けた福祉事務所長は,職権でZに対する生活保護の開始を決定し,7か月間の間に保護費586万4,070円(うち医療扶助費489万7,724円,医療費10割負担)を支給した。

 一方で,Y区の担当職員は,Zについて成年後見の申立の手続きを進めており,Y区長の申立てにより,Zについて後見開始の審判がされた。

 その後,福祉事務所長は,Zが資力を有するものであったとして,給付した保護費全額の返還を求める決定(以下,「本件返還決定」という。)をした。

 死亡したZの相続人であるXらは,Zは後期高齢者医療の被保険者として医療を受けた場合の自己負担分(医療費1割負担約50万円で,残りの約440万円は健康保険から支払われる。)の出費しか免れていないことから,保護費全額の返還を求める決定には,裁量権の範囲を逸脱した違法があると主張し,その取り消しを求めて訴えを提起した。

 原審は,保護費の返還額の減額ができるのは,平成24年課長通知の定める場合に限られるものであり,Zに対して保護費全額の返還を求めても裁量違反はないとして,Xらの請求を棄却した(Xら敗訴)。

 

3 東京高裁の判断

 東京高裁は,以下の理由から,本件返還決定を取り消した(Xら勝訴)。

【理由】

① 保護費の返還額の減額ができるのは,平成24年課長通知の定める場合に限られない。

 

② 実質的に不利益を課す処分となりうる保護を行う場合には,保護を受ける相手方に,保護を受けた場合の不利益の内容を説明して十分な理解が得られることが不可欠の前提である。

 

③ 本件においては,Zに対する保護決定に際して,給付される医療扶助について将来その全額の返還を求められ,著しい経済的不利益を被ることになるのに,少なくともZの理解を得ないままに職権で保護の決定が行われた結果,Zの意思とは関係なく,何らの予告もなく著しい不利益を課されることになった。

 

④ 生活保護法の運用にあたっても,社会保障制度全体の中でその運用を考えるべきであり,返還決定が後期高齢者医療の被保険者であれば負担を要しなかった範囲の保護費の返還を求めている部分については,裁量権の範囲を逸脱した違法がある。

 

⑤ なお,Zが支払っていなかった後期高齢者医療の保険料についても,Zが本来自己負担分として負担すべき金額として,返還する費用額算定にあたって考慮すべきである。