生活保護の審査請求をしよう

生活保護の質問に答えます。役所の決定に疑問があったら、生活保護の審査請求をしましょう。

<生活保護とペット保険> 【問】ペット保険の保険金を受け取ったときは,収入として認定されるのですか?

私は生活保護を受けており,ペットを飼っているため,ペット保険に加入していますが,先日,ペットが病気になり動物病院で治療を受け,後日,治療費の一部をペット保険から保険金として受け取りました。

 そのことを役所の担当者に報告したところ,担当者から現金を受け取ったのであるから,収入として認定することになると言われました。

 

 私が入院したときは,その治療費は,役所から全額を病院に支払ってもらいますので,私が受け取った入院給付金を収入として認定されることについては納得していますが,ペット保険金については,私が生活保護費をやり繰りして,ペット保険の保険料や ペットの治療費を全額支払い,その治療費の一部が 保険金として私に支払われたものですから,収入として認定するのは,おかしいと思います。 どのようにしたらよいのか,アドバイスがあれば,お願いします。

 

【答】

 あなたが言われるとおり,私も,ペット保険からの保険金を収入として認定することは,おかしいと思います。 ペット保険には,窓口精算後日精算の2種類があり,窓口精算の場合は,動物病院で治療費の自己負担分だけ支払えばよく,一方,後日精算の場合は,動物謬院で治療費の全額を支払い,後日,その治療費の一部が ペット保険から保険金として支払われることになります。

 そのため,後日精算の場合は,ペット保険金が支払われるので,収入認定の問題が生じますが,窓口精算の場合は, 収入認定の問題は生じません。

 同じペット保険でも,窓口精算ならば収入認定する必要はなく,後日精算ならば収入認定の問題が生じるのは,奇妙な感じがします。

 

 私は個人的には,ペット保険が,窓口精算のものであっても,後日精算のものであっても,ペット保険の保険料や ペットの治療費については,生活保護費をやり繰りして支出したものであり,後日精算の場合は,動物病院に支払った治療費の一部が戻ってくるものですから,収入認定の対象外であると考えています。

 しかし, 生活保護手帳や別冊問答集,いくつかの自治体の生活保護運用事例集・問答集等を見ても,ペット保険金の取り扱いについて記載されているものはありませんでした。

 

 役所の担当者に 上記のことを説明しても,役所が,後日精算の場合は,受け取った保険金は収入認定の対象になると主張する場合は,ペット保険を 後日精算のものから窓口精算のものに変更するか,又は,法テラスを通じて生活保護制度に詳しい弁護士や,各地の生活保護支援ネットワークなどの生活困窮者支援団体に相談し,役所に説明してもらったり,都道府県知事に対して,「ペット保険金を収入認定した保護変更処分」や,「生活保護法第63条に基づく保護費の返還処分」の取り消しを求める審査請求を行うことを検討しましょう。